「この恩賞が不公平であれば一軍は乱れ、士気が落ち、ついには敵に通ずるものまで出す」新史太閤記 司馬遼太郎著
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姫路城にて
秀吉が、柴田勝家との「賤ヶ岳の戦い」前の正月に姫路城に帰った時の話です。
この事務は大将に課せられた要務の中でももっとも大きい一つであろう。この恩賞が不公平であれば一軍は乱れ、士気が落ち、ついには敵に通ずるものまで出す。柴田勝家における柴田勝豊がいい例であろう。彼は柴田家における自分の処遇に不満を持ち、ついに秀吉に通じ、長浜城を献上した。さらにこの恩賞が遅れても士気がゆるみ、将士はその主将の気持ちを疑うようになる。秀吉はこう言う事務については天才と言ってよかった。
松下幸之助も同じことをいっている
「松下幸之助一日一話」PHP総合研究所 にも同じことがあります。
「信賞必罰」
罰すべき罪過ある者は必ず罰し、賞すべき功ある者は必ず賞せよということ、これは人間が存在するかぎり、程度の差はあっても絶対に必要なことであろう。
(略)
会社、集団、家庭どこにおいても、これは決してないがしろにされてはいけないことだと思う。
ただ、ここで大事なことは、信賞必罰と言っても、常に適時適切でなければならないということである。これは微妙にして非常に難しいことで、これが当を得なかったならば、かえって事を誤ってしまうことになる。
先人の話が心に刺さる
最近、仕事で色々とあって、この話が心に刺さりました。自分は恩賞の決定をできるような偉い立場ではないですが、人の心はまさにこの通りなんだと実感させられることが最近ありました。
人事は難しいですね。
自分の経験
私が今まで20年以上社会人として働いてきて一番貴重な経験、というか身をもって得たもので一番貴重な教訓、そして心に刻んでおこうと強く思っていることは、「人はハートで動いている」ということです。
最近このことを忘れそうになっていたので、このブログを書いているときに強く思い出すことができました。宇宙兄弟風にいうと、「心のノートにメモっとけ」ということですね。